戦いのシンバル

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読書の鉄人~「知の越境力」×「地図で楽しむすごい宮城」

今日も書きます、読書の鉄人。
 
本日出でたる2冊は、こちら!
 
「知の越境法 『質問力』を磨く」著・池上彰
 
VS
 
「地図で楽しむすごい宮城」著・都道府県研究会
 
今回も全く異なる2冊の本・・・ここからどんな共通項が見出されるでしょうか?
 
それでは1冊目から見て行きましょう!
 
 

 1冊目 知の越境法 「質問力」を磨く

 

 

知の越境法 「質問力」を磨く (光文社新書)

知の越境法 「質問力」を磨く (光文社新書)

 

 

池上彰さんと言えば、誰もが知るニュース解説者ですよね。
 
いろんな難しいニュースをわかりやすく解説してくれることで、テレビに出ない日はないくらいの人気キャスターです。
 
また、鋭い質問力を持つことでも知られています。
 
ある選挙番組では、政治家に向かって
 
「自分が汚れてしまったな、と思うときはありませんか?」
 
と質問しているのを見たことがあります。
 
聞きにくいことでもズバッと聞く。
 
そしてそこで得た情報をもとにわかりやすい解説を作る。
 
なぜ池上さんはこうした質問力を身に着けることができたのでしょうか?
 
本書の中で、池上さんはこういう言葉を引用して述べています。
 
「愚かな質問はない。あるのは愚かな答えがあるだけだ」
 
どんな簡単な質問にも、本質的な部分が隠されているもの。
 
その本質にこたえられないのであれば、「馬鹿な質問をするな」と言っても説得力がありません。
 
むしろ自分の理解力不足を隠そうとしているかのように見えるでしょう。
 
世の中のニュースは、難しい言葉でも「これくらい知っているでしょう?」というような調子でメディアも取り扱っているような傾向があります。
 
たとえば日中貿易摩擦。互いに関税を上げ合って経済戦争の様相を呈してきています。
 
ここでみなさんにお聞きしたいのです。
 
関税とは何ですか?
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
すぱっと答えられた方、それを小学生にもわかるように説明できますか?
 
Wikipedia にはこのような説明がなされています。
 
「関税とは、広義には国境または国内の特定の地域を通過する物品に対して課される税。」
 
 
これだけでストンとわかる人はどれくらいいるでしょうか?
 
 
またなぜそうした税が必要なのでしょうか?
 
 
いろいろ疑問が出てきますよね。
 
今の時代はググれば答えが調べられそうですが、Wikipediaのように解答そのものが難しかったりする場合も多いです。
 
 
そんなときに周りから、「日中貿易摩擦ってなんで起こってるんだろう」なんていう話しが出たときに、皆さんはすらすら答えられますか?
 
 
適当にお茶を濁してわかったふりをすることはありませんか?
 
 
そういうときこそ、この質問力が役に立ちます。
 
 
そんなときは相手に聞いてしまえばいいのです。
 
 
「関税って、どうして存在するんだろうね?」
 
 
相手からわかりやすい答えを引き出せたら占めたもの。それがどう米中関係に響いているのかまで聞き出せれば、そこで得た情報はあなたオリジナルの物です。
 
 
ぜひそれを機に賢くなってしまいましょう。
 
 
もし「そんな簡単なことも分からないの?」のような態度を取られたら、池上さん張りにこう切り返してしまいましょう。
 
 
「あなたは簡単に答えられるのですか?」
 
 
この場合でも相手から答えを引き出すことができます。そういう相手に限ってお茶を濁そうとすることがあるので、「それはどういうことですか?」と追及の手を緩めず聞きましょう。
 
 
こうした池上さん流の質問力の源泉は、彼自身の記者としての勤務経験から来ているものでした。
 
 
池上さんはキャスターになるまでに、実に様々な記者経験を経ています。
 
 
地方局での勤務を皮切りに、通信部、社会部、警察、そして消費者問題を遊軍記者へ。
 
異動の多い記者でも、これだけ分野をまたがった移動を繰り返すことは珍しいそうです。
 
そんなふうに分野の越境を繰り返すうちに、池上さんはある分野を客観的に見る姿勢が培われたそうです。
 
そうした姿勢が身に付くうちに、「わからないところをわからない」と把握する力が付き、質問力が付いて行ったとのこと。
 
越境することで、質問力が付く。意外な視点からの質問力向上法ですね。
 

 2冊目 地図で楽しむすごい宮城

 

 

地図で楽しむすごい宮城

地図で楽しむすごい宮城

 

 

 
宮城県と言えば、皆さんはどんなことを思い浮かべますか?
 
牛タン、ずんだ餅、七夕、松島、伊達政宗、被災地、・・・・。
 
いろんなイメージがあるかと思います。
 
そんな宮城県を、地図という観点から観察したのがこの本です。
 
全75章の観点から、宮城県を俯瞰したこの本。
 
宮城県への網羅性の高い内容で、宮城県にはこんな一面があったのかと驚かされます。
 
私は宮城県出身ですが、それでも多くの学びを得ることができました。
 
中でも一番インパクトのあったものが、涌谷(わくや)の砂金の話です。
 
宮城県和久屋町という小さな町があるのですが、そこでは砂金が取れることで有名でした。
 
奈良時代聖武天皇東大寺の大仏を建立しようとしていたときのこと。
 
そのときに使う金箔は朝鮮半島などから輸入していたのですが、その費用がかさんでいき財政を圧迫するようになりました。
 
そのときに涌谷で取れた砂金13kgを献上したところ、これが天皇に大いに喜ばれ、大仏を造立することができたのでした。
 
天皇はこの時喜びのあまり、大赦などの政策の他に元号まで変えてしまうほどでした。
 
日本が「黄金の国ジパング」と世界で噂になっていた時期がありました。
 
マルコポーロの「東方見聞録」でそのように記され、世界に衝撃を与えました。
 
その「黄金の国」を言われるゆえんとなったと考えられているのが、平泉の中尊寺金色堂です。
 
この中尊寺金色堂で使われた金箔は、東北各地で採掘された金から作られたと考えられています。
 
こうした「黄金の国ジパング」と呼ばれるほどのゴールドラッシュの先駆けとなったのが、宮城県涌谷町というのは歴史的に見ても大きな事件だったと思います。
 

 伊達政宗の越境力

 
さて、この2冊からどのようなことが浮かび上がってくるでしょうか?
 
僕は、この2冊に伊達政宗の越境力を見る事ができました。
 
伊達政宗は戦国時代末期に東北地方南部を統一し、江戸時代に入ってからは現在の仙台の礎を築いた初代仙台藩主です。
 
若き日々は戦に明け暮れた政宗ですが、秀吉の天下統一が進むと自らの天下取りの可能性が薄くなってきました。
 
秀吉に臣従した後は、政宗は宮城を離れていろいろなところに行きました。
 
京都、九州、朝鮮・・・江戸幕府が成ったあとには江戸にも住むことがありました。
 
そのなかでも京都にいたときの経験は仙台の街づくりにも生かすことができました。
 
政宗が仙台に移ったのは関ヶ原の戦いが終わって間もないころ。
 
当時の仙台(当時は千代と言いました)はまだ人もあまりいない寂しいところでした。
 
政宗はこの仙台を京都のように碁盤目状の街づくりをします。
 
武家屋敷には果樹を植えさせ、家臣たちにはなるべく自給自足をさせました。
 
この樹を植えるというのが盛んになって、仙台は杜の都と呼ばれるようになっています。
 
政宗は宮城が津波に見舞われる危険があることを考え、城と城下町を海岸から離れた丘陵地帯に立てました。
 
しかし高台に街を作ったため、水の供給が大きな問題になりました。
 
そこで政宗が作ったのが四ツ谷用水です。
 
城から広瀬川の上流へ5kmほど離れた所から樋を渡し、碁盤目状の街に水を引くという大工事を敢行しました。
 
この結果、街は水に困ることは無くなりました。
 
この四ツ谷用水、先の大震災の時にも役立ちました。
 
震災で断水した時も。この四ツ谷用水の井戸から水を供給することができたのです。
 
政宗の慧眼は素晴らしいですね!
 

 まとめ

 
 
伊達政宗と言えば戦国武将としての華々しい活躍が有名ですが、全国各地へ行った時の経験が為政者としての手腕に役立ったことがうかがえます。
 
ちょうど池上さんが部署を越境したことで腕を磨いたように。
 
このことから、本筋を外れてあちこちへと流されても、そこでしっかり経験を積めば大きなプラスとなって自分に還元されていくさまが分かりますね。
 
長い人生、僕もいろんなことをやりながら自分の成長を楽しんでいきたいと思います☆